「オンラインけん玉認定試験」について

級段位審査委員会

【はじめに】
 新型コロナウイルス感染症拡大防止、ならびにコロナ禍における心身のリフレッシュ、健康の維持・増進等を目的として、ここまで約2か月にわたりオンライン審査を行ってきました。当初は対面式審査で感じられる臨場感や緊張感といった、受審者のパフォーマンスに影響を与える要素がオンライン審査では著しく損なわれること等が懸念されたため、期間を定めた限定的な措置として行うことにしていました。
  しかしながら、使用けん玉の確認、審査前後の礼、審査に相応しい審査員の服装・態度、受審者自らの失敗の申告などの処置を行うことで、全く同じとまでは言えないまでも、臨場感や緊張感を伴う厳正な審査の実施が可能であることがわかりました。
 またこれまで受審が叶わなかった、審査員がいない地域の人や、けん玉教室等参加に都合がつかなかった人が受審できるなど、これまでカバーできなかった人に対してけん玉を始めるきっかけを提供でき、けん玉普及活動の幅を広げることができました。
  そして、そのような方々をはじめとして、引き続きオンライン審査を希望する声が多数あることから、引き続き6月までの要領を踏襲・整理し、期間を限定せず「オンラインけん玉認定試験」として実施することに致しました。

【規程および様式】
  本文書に記載のない事項は「けん玉道級・段位審査規程」に、技については「級・段位認定試験種目における技の解説と注意事項」に従うこと。また審査の際に使用する「級位認定試験受審申込書」は通常の様式を使用してよい。

【対象】
対象とするのは 10級~1級 ならびに 準初段 の審査とする。
・初段以上の段位は対象外とする。
・もしかめは100回までとする(それ以上は認めない)。
・タイム競技Bのタイム計測は対象外とする。
・入門級位の認定は行わない。

【実施期間】
この実施要領は2020年7月1日以降のオンライン審査に適用する。

【受審申込】
受審を希望する者は以下の通り申し込みをする。
●けん玉教室の生徒等、審査員資格保有者を知っており連絡がつく場合
 ・受審希望者は、メール・電話等により直接審査員資格保有者に申し込む。
 ・申込受付を行った審査員資格保有者は、自らオンラインによる審査を行うか、他の審査員資格保有者に審査を依頼するか、又は、事務局にマッチングを依頼する。
●審査員資格保有者を知らない、連絡がとれない場合
 ・受審希望者は、メール等により「級位認定試験受審申込書」に記載必須の事項を添えて協会事務局に申し込む。

(注)記載必須の事項は下記の通り
氏名(ふりがな)、現有級位、住所、電話番号(あるいは携帯番号)、生年月日

・事務局は受審申込者と審査員資格保有者のマッチングを行い、必要な情報を審査員資格保有者へ提供し、その旨を受審申込者へ伝達する。
・審査を行うことになった審査員資格保有者は、自ら受審希望者とコンタクトをとり、オンラインによる審査を行う。
受審申込は無料とする。ただし、認定証発行時に送料等の支払が数百円程度発生する可能性がある。

【審査時の諸注意】
使用するオンラインツールはSkype、LINE、Zoom等特に問わないが、受審者の試技を確実に確認できるものであること。
リアルタイムで審査すること。受審者が独自に動画を撮影して後日審査員がその動画を確認する、といったリアルタイムではない審査は認めない。
通常の審査と同様に、級位ならびに準初段を認定することができる認定指導員等が審査すること。

(注)級位ならびに準初段を認定することができる認定指導員等とは
   ・A級指導員
   ・1級指導員
   ・2級指導員
   ・普及員
   ・認定ライセンスを保有しない初段以上の段位受有者で、満15歳以上(満15 歳の者については誕生日以後最初の4月1日を迎えた者に限る。)の活動会員

通常の審査と同様に、審査員は1名でよい。ただし受審者が小学生以下の場合は保護者が同伴すること。
けん玉検査や最初と最後の礼など、対面式の審査と同様に行うこと。また審査員も審査に相応しい服装・態度で臨むこと。
→ 使用できるけん玉は日本けん玉協会認証(認定・推奨・特別推奨)けん玉です。
対象が級位および準初段のため、受審は1日に1回のみであるが、前回の審査から1日経過していれば再度受審できる(毎日受審できる)。
 → 審査員は、受審者がオンライン審査当日にけん玉教室等で、すでに審査を受けていないか口頭で確認すること。

【試技の成否判定における諸注意】
以下の場合は失敗と判定する。
・審査員からけん玉が見えなくなった場合。
    → 審査員は、技を行う際の体の角度や立ち位置を可能な限り受審者の不利にならぬよう指示すること。
    → 特に飛行機、ふりけんは審査員から見て横を向いた状態を推奨(絶対ではない)する。
・通信状況の悪化等で画像が途中で途切れた場合。
※ふりけんにおける玉の床面、一周技における玉の衣服、灯台におけるけんの指への接触等、失敗した場合は審査員の判定を待たず、けん玉道精神に則り受審者自ら申告を行うものとする。

【認定証の発行】
12)認定証は審査員が発行する。又は事務局の代行発行も可とする。
●審査員が発行する場合
・認定証を受審者に授与する際、郵送等方法は問わないが、発生した送料等は審査員と受審者のやり取りによる。この際の金額は実費を原則とする。
●事務局が発行を代行する場合
・審査員は、審査結果が記入された「級位認定試験受審申込書」を事務局に送る。写真撮影した画像データ、スキャンしたPDFデータをメールにて添付、あるいは直接郵送するなど、方法は問わない。
・受審者は協会事務局へ送料手数料等の諸経費を含め440円(税込)を支払う。支払方法はホームページで案内する。
・上記に基づき、事務局は審査員名で認定証を発行し受審者へ郵送する。

【終わりに】
 そもそも級位審査は、合格しても登録料がいらない(協会に登録されないので)、推奨・特別推奨けん玉が使用できる、審査員は1名でよい、普及員や条件を満たした段位保有者が審査できる、毎日1回受審できる等、段位審査と比較すると条件はとても緩やかで、審査の厳格性よりは、容易に級位を取得できることでけん玉の普及に重きを置いた制度であると言えます。そしてオンラインによる級位審査によってさらに「けん玉普及活動の幅を広げる」ことができたのは【はじめに】に記載した通りです。引き続きこの「オンラインけん玉認定試験」により、より多くの人がけん玉の楽しい世界に誘われることを願ってやみません。